「学ぶ」意味とは ①

子どもが勉強嫌いなのは大人が「意味」を伝えないから

2020年ももうすぐ終わります。今年はコロナ禍で様々なことを考え直すいい機会となったような気がしています。

オンライン家庭教師さざれいしを立ち上げるきっかけとなったのも、コロナ禍で大切な子どもの学習機会を奪われないように考えた結果でした。

4月・5月の全国学校一斉休校で子ども達が学校へ行けなくなった時、ご家庭で子どもを勉強に向かわせる事にご苦労された方も多かったと思います。💦

「ゲームばかりやっていないで勉強しなさい!」

「嫌だよ。学校が無いのになんでそんなことしなきゃいけないんだよ!」

そうやって子どもに言われた時、こんなふうに答えてしまっていませんか?🙄

「皆、やっていることだから」
「子どもは勉強することが仕事だから」
「理由などなく、やるべきことはやらなければならないから」
「世の中に出るうえで必要なことを学んでいるから」
「将来自分のやりたい進路に進むことができるから」

この返答で勉強したいと思う子は何人いるでしょう。😥😥

せっかくの「学ぶ」楽しさをつまらないものにしているのは、こんな残念な返答をしてしまう大人なのかもしれませんね・・・。

多くの子の勉強嫌いの理由は・・・

1、勉強が楽しくない

2、勉強のやり方が分からない

3、成長が実感できない

ゲームは子どもにとって「楽しい」ので「やりなさい」と言わなくても自分からやります。やり方は「YouTube」で教えてくれるので勝手に上達します。

そして上達すれば「レベルアップ」し成長を分かりやすく実感できます(もちろんそうでないゲームもあるでしょうが)。

Glasses Eyeglasses Eyewear Book  - EmmanuelCampiño / Pixabay
EmmanuelCampiño / Pixabay

学ぶ意味あれこれ

そもそも「学び」の意味は我が国の教育制度の根幹をなす「教育基本法」に以下のように書かれています。

我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
 我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
 ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。

教育基本法(昭和二十二年法律第二十五号)の全部を改正 より

人は、「自分の手持ちの力を使い、共同の場で何かをして、そのことで人が喜ぶのを喜ぶ。」
 子どもたちは、「自らの力で自然に働きかけ、それによって人を喜ばせ、また自らが喜べる機会を持つことで自尊感情が育つ」

奈良女子大学 浜田寿美男先生の講演より

天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと云へり。

されども今廣く此人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、其有樣雲と坭との相違あるに似たるは何ぞや。

人は生まれながらにして貴賤貧富の別なし。

ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり

「天は人の上に人をつくらない」と言われている。

しかし今世の中を見てみると、賢い人と愚かな人がいる。また、貧しい人や裕福な人、身分の高い人と低い人がいて、その有様は雲泥の差だ。どうしてだろうか。

ひとは生まれた時は平等である。学問をして、物事を知る人は偉く、お金持ちになる。無学の者は、卑しくて、貧乏になる。

福沢諭吉『学問のすすめ』より

法律や偉い学者さん、偉人の言葉を並べてみたら「学ぶ」意味も見えるかな~と思いましたが、どれも他者との関係性が書かれていることに気づかされるのです。😮😮😮

Children Nature Out Summer Water  - Pezibear / Pixabay
Pezibear / Pixabay

親の仕事を子どもに伝えてみる

上述したように「学ぶ」意味の学問的考察を並べてみると、「他者」の存在が入っている事に気づかされます。

途中経過がそれぞれ異なっていても、最終的にはここへたどり着くということなのでしょうか。

このブログを読んでくださっている皆様に、「学ぶ」意味を子どもに伝える時に試して頂きたいのが「自分の仕事を子どもに伝える」という事です。

私は16年間の塾講師+3年半ほどの療育施設での経験があり、仕事人生のほとんどを子ども達と接する時間としてきました。

その中で子ども達に共通しているのが、「親の仕事」を驚くほど子ども達は見ているということです。

いわゆる発達障害と言われ、自分の思いを説明することが苦手な子であっても「親の仕事」の子とは割と流暢に話し、尊敬の念を持っている事が多いです。

尊敬の念を持っている親の仕事から「学ぶ」事はとても多いように思います。

・農業を営んでいる

・学校の先生をしている

・百貨店の売り場で働いている

・建築業で大きな建物を作っている

子ども達は農業に興味を持つかもしれません。教育に興味を持つかもしれません。建築業に夢を抱くかもしれません。

国語・数学・社会・理科・英語の得点を取らせて、子どもを有名大学に行かせるのが「学び」に向かわせることではありません。

未来ある子ども達にわくわくさせる言葉で語りかけたいですね。😆😆😆

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