「勉強が苦手な子」に教えるコツ!③

Self Esteem Motivation Positivity  - sweetlouise / Pixabay

自信を与える

まずは勉強が苦手な子から実際に聞いたお話を基にみなさんにお伝えいたします。

勉強が苦手な子はとにかく自信がありません。小学校の中学年から高学年にかけて自分が学習内容を理解できているか、できていないかを子ども達は知り始めます。

子ども同士で「比較」し合い、「あの子はすごく頭がいい。だって〇〇〇習ってるし、いつも先生に褒められているもんな~。どうせ俺なんて・・・。」とか言っちゃってます😅

兄弟がいて片方だけ勉強ができる子だと、「必殺兄弟比較!」の大技をくらい早々にノックダウン状態(この技は小学生のうちにくらうと致命的)。

そして、中学校に入学すると年間4回ある定期テストで「学年順位」がでて、自分がどの位置にいるのかを明確に知り、心の中は・・・。

そんなふうに勉強に自信を無くした子に親や先生がいくら「勉強しなさい!」と大きな声で何度促しても、その声は子どもに響くことはなくプレッシャーが高まりどんどん勉強がいやになってしまいます。😥

Branch Branch Point Split  - ijmaki / Pixabay

 自信の基礎を考える

自信の裏にあるもの

人生において自信を持って生きることはとても大切です。子ども達には本当の意味での「自信」をつけてあげたいですよね。

勉強が苦手な子に自信を持たせてあげる時に注意したいことがあります。それは、自信を「過剰な他者との比較」で付けないということです。

ものすごく学歴が高く優秀な人がいたとします。

では、その人の「自信」はどのようにしてできているでしょうか?

「自分は小学生のころからずっと学年で3本指には常に入っていた。」😤

「中学、高校とずっと生徒会長だった。」😤

もちろん、背景にある事柄でこれらの意味合いは変わってきますけど、他者との比較やポジションでのみ自信が形成されていくと後々大変です。

それは何故か。

自信を持つことに根拠が必要だからです。

上記の子は「成績が3位以内」でなくては自信が保てません。

「生徒会長選挙に落選」したら自信が粉砕されます。

自信は「自らを信じる」ことです。それは、自分の事を無条件に信じてくれる(愛情をくれる)存在が後押ししてくれるものです。

お子様の自信を考える時にこの前提を外して考えると、短期的には良くても長期的に見ると全て失敗してしまうと思います。

そして運よく「根拠」が崩れなかったとしても、「他者との比較」で自信を得た人は「他者を認めない」思考回路になっていく場合があり、批判を受け入れる事ができなくなります。

絶対にさじを投げない

勉強の苦手な子はすでに「自己肯定感」がとても低い状態にある場合が多いです。教える側が「できるように」してあげたいという気持ちが強すぎると、「できた場合」にのみできる「条件つきの自信」が積みあがってしまう事になります。

<勉強を教える時の注意点>

  1. 勉強にチャレンジしている状況を認める
  2. 「できなくても」否定しない
  3. 教える側があきらめない
  4. その子の興味・関心からアプローチする  例)昆虫好き→理科好き→計算も!
  5. 一緒に勉強する事を楽しむ

こんな点に気を付けて子どもと勉強を進めるとよいでしょう。

とはいえ「できるようになる」ことはてとても重要な要素です。問題は「子どもが諦めず、粘り強く向き合う姿勢」をどのように育んでいくかということです。

教える側が「何度でも」笑顔で根気強く教えてあげましょう。

「覚えていなかった」「何度も同じミス」をするのは本人のやる気も問題ではありません。だれよりも本人が自己嫌悪に陥っています。

「どうせ俺なんか・・・」

ではなく「見捨てず教えてくれてありがとう!」と子どもが感じる事が大切ですね。

Board Game Play Gesellschaftsspiel  - Bru-nO / Pixabay
Bru-nO / Pixabay

目標は変えない。達成時期をズラす

これは「見守る側」の勇気が必要です。勉強が苦手な子の中には発達特性等で、周囲の子よりも学習の習得スピードが遅い子がいます。

文部科学省が定める学習指導要領の通りに行かないこともあります。「分数」の「通分」の習得に半年かかってしまう子もいるでしょう。

学校の進むスピードは変えられません。保護者や子どもの学びを支える周りの人が、子どもとよく話をして「新たな目標達成時期」を決める必要があるのです。

子どもが諦めずに取り組んでいるなら、それでいいじゃありませんか。

高校入試、大学入試に間に合う事は必ずしも重要ではないと考えましょう。

ここにとらわれると、生涯「学び」をしない人間になってしまいます。

自分が「できない」事で、自分に一生懸命関わってくれた人の存在に気づき、その中で得た「分かった」「できた」の価値は他の子よりむしろ大きいかもしれません。

勉強が苦手な子に教える際に大切なのは「その子の理解のペース」を把握し、根気強く関わってあげる事だと思います。