マネジメントとは?その④

Friends Kameraden Camaraderie Good  - Peggy_Marco / Pixabay

●チームビルディングについて

さて、今回はチームビルディングについて考えてみましょう。

前にも触れたとおり”理念”が存在してリーダーに”責任”の意識があることを前提としてこの話は成立します。

そもそもチームビルディングとは組織のパフォーマンス向上を図るための活動を指しています。組織を開発する方法として、近年注目を集めるようになってきています。

よく似た言葉に「チームワーク」があります。1人では達成できない目標をみんなで協力して成し遂げるという意味では共通している部分があります。異なるのは、リスクを伴いながらもイノベーションを起こすことのできるチームを目指すという点です。

また、チームビルディングはメンバー一人ひとりの成長をニュアンスに含んでいるという点でもチームワークと違います。

<チームビルディングのアプローチ方法>

  1. チーム目標の調整(チーム目標が各人の”自分事”になっているのか?)
  2. メンバーの関係の構築(”理念”に忠実でないと必ず人間関係に問題が生じます)
  3. メンバーそれぞれの役割の明確化(”責任”が存在しないと一人に過剰な責任がいきます)
  4. チームが抱える問題の解決策の発見(”責任”が存在しないと問題解決は棚上げとなります)

これらのアプローチを通じてチーム内の関係性を強化し、パフォーマンスを上げていくのです。メンバーが充実感をもって仕事をしていればチームの可能性も拡がっていきます。

Linked Connected Network Team  - OpenClipart-Vectors / Pixabay

タックスマンモデルについて

次によく使われる「タックスマンモデル」についてまとめておきたいと思います。

メンバーに求められる重要な要素についても同時に挙げておきますね。

●形成期

形成期はメンバーが決まり、チームが形成されたばかりの段階のことです。この段階では、メンバー同士の理解が不十分で目標も不確かなため、チーム内に緊張感があります。次の段階に進むためには、メンバー同士が互いのことを知り、目標達成を妨げる要因・課題をリーダー主導で見つけることが重要です。

●ポイント…メンバー同士の緊張感を和らげるような陽気なメンバー

この時期はとにかく楽しく!お互いを知ることが大切。

(私は駄目ですね(笑)。すぐにむきになりますから…。)

さりげなく方向付けしてくれる人がいたら最高!

そして次の混乱期に導くストーミングを起こせる勇気を持った人が重要です。

●混乱期

混乱期は”Storming(ストーミング)”とも呼ばれます。

混乱期は仕事を始めてすぐの時期で、メンバー同士の主義や主張など、意見が激しくぶつかり合います。メンバーの意識や関心は、チームの目的や目標ではなくお互いの行動や考え方、たとえば資料の作り方や会議での発言などに向いている状況です。

次の段階に進むためには、意見の対立を恐れずに議論を通じて相互理解を深め、チームの抱える課題の解決方法を見つける必要があります。

●ポイント…意見の違う人間を排除するのではなく”理解”しようとする姿勢

重要なのは”理念”に基づいて自分の意見を出しているかどうか。

持論をぶつけ合うことも必要ですが、「一致点」を見つけるためにはお互いに”理念”を念頭において話しているかがカギになります。

そこが念頭にないと「批判」を「否定」ととってしまい最後は相手の人格否定になってしまいます。

時にはとんでもない泥仕合になることも……涙。

●統一期

混乱期の次は統一期(Norming)と呼ばれます。

混乱期で思いのたけを出し切った組織はメンバー同士の行動や思考の特性を容認するだけでなく、チームとしての目標を共有しつつ、一定のルールの下でまとまった状態なります。

ただ中途半端にぶつかり遺恨を残したままだと統一期にはなかなか移行せずに、組織が崩壊してしまいます。

それを乗り越えることができれば、組織としてのまとまりだけでなく、メンバー一人ひとりの個性が存分に発揮できる状況になります。

●ポイント…前述したとおり「混乱期」にメンバーが全てを出し切ることが大前提です。その上でメンバーの個性を認めながら「理念」との一致点を自分ではなく、他のメンバーから伝えられる状態を目指すとよいと思います。

「さっきの意見なんだけど、あれは私にはない発想だ」

なんて言葉がけができるといいですね。

●機能期

統一期の次は機能期(Performing)と呼ばれます。

機能期ではリーダーの指示がなくても自律したアクションが取れるようになります。蓄積した成功体験が生かされ、チームとしての成果も出るようになるのです。

混乱期を乗り越えた組織なら置きえませんが、リーダーが自分の虚栄心を満たすためにその組織を率いているのであれば「自律したアクション」は認めません。

私がこれまでに所属してきた組織で、

ここまで到達しているなと感じた組織は残念ながらありません。

●散会期

機能期の次は「散会期」と呼ばれます。

メンバー同士がそれぞれの時間的な制約やビジネス状況の変化、

目的達成などを理由にして、相互関係を終結させた状態になります。

終わることは必ずしも悪いことではありません。

目的が明確だったからこそ「目的は達成した」と言えます。

目的が明確だったからこそ時代の変化を感じ、

このビジネスがこれからも必要かどうかが判断できるのです。

Business Plan Tree Growth Grow  - geralt / Pixabay

●アプローチ

●チームの目的を何度も確認する

形成期⇒混乱期で一番のポイントは「自己開示力」だと思います。

相手を見合って自分の考えを押し殺しているようでは

「混乱期」を創り出すことさえできず、

永久に「ただの集まり(形成期)」の状態から脱することはできません。

ここでは自分の人生観、感情をすべて出し切りましょう!( `ー´)ノ

私は結構「混乱期」を演出します。

相手にとって辛辣な言葉を投げかけることもあります。

それをしないと相手の本当の動機がわからないからです。

ただし、相手のキャパをしっかり見極めないでやりすぎると

ただ単に嫌われて終わります……😢

●役割分担をする

混乱期⇒統一期のポイントは役割分担です。

ただし、最初からこれをやりすぎるとメンバーは組織の全体像が見えず

「役割の範囲ができていればOK!」

という小さな思考・動きになってしまいます。 

役割分担の際に気を付けたいのが適材適所という要素。

メンバーの得意・不得意を互いに把握したいですよね。

そこでメンバーの特性をお互いに理解するのにおすすめなのが、

「ストレングス・ファインダー」です。

これは人間に共通する資質を34個あげ言語化したもので、

ネット上で診断することができます。

(書籍⇒「さあ、自分の才能に目覚めようストレングスファインダー2.0」

を購入してコードを取得する必要があります)  

詳しくはこちらで検索!

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https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/254039/strengthsfinder.aspx

診断すると自分の上位の資質が5つわかります。

面白いですよ。

ちなみに私の上位5つの資質は…

1、最上志向

2、ポジティブ

3、親密性

4、成長促進

5、責任感

でした。

自分ではとてもよく当たっているなという感想です。

書籍ではその強みの活かし方などが書いてあります。

ぜひ読んでみてください。

他のメンバーとこの特性について話し合う時間をとった経験があるのですが、

話がとても盛り上がり、気づいたら3~4時間経っていたのを覚えています。

個人的には「個別化」の特性を持つ人と仕事をすると、

とてもスムーズに行くことが多いです。

いずれにしてもメンバーがお互いをよく知るということが重要ですね。

★★★特性を活かした仕事を探している人はこちら★★★

(私自身も個人事業主にチャレンジする決意をする前は

何社か登録していた時期がありました。)

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Paper Business Finance Document  - mohamed_hassan / Pixabay

チームビルディングが機能すると…

1、チームのパフォーマンスの向上

一番はメンバーの主体性が発揮される状況ができるということです。

通常は他のメンバーの苦手な部分に目が行きがちです。

ですが、上手くチーム形成ができれば、

「どうやったら人を活かすことができるか」

という思考回路になっているので、

出来ない部分にばかり目が行くことはなく、

結果として最適な役割分担ができていきます。

2、コミュニケーションの活性化、マインドセットの醸成

チームビルディングが成功すると、

自分たちが社会に何を果たしたいかを共有し

活き活きと働いている状況になります。

また、様々な属性を持ったメンバーが互いに認めあいながら

効率よく仕事が進んでいくようになり生産性が飛躍的に向上します!

個々を活かした組織づくりと言葉でいうのは簡単ですが、

現状把握をしっかりしてポイントを押さえておかないと

せっかく良いことをしたいと思って作った組織がうまく機能しません。

いい組織を作りたいですね!

All Is Well Order Reassurance  - LisaAttractLove / Pixabay
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マネジメントとは?その③

Chess Piece Strategy Competition  - BeautifulMess / Pixabay

●リーダーシップについて

(理解している人編)

まずは前回触れたドラッカーの「リーダーシップ」の定義についておさらいです。

1、リーダーシップは生まれ持った資質ではなく「仕事」である。

2、リーダーシップは地位や特権ではなく「責任」である。

3、リーダーシップは「信頼」である。

ここを頭に置いて読み進めていただければと思います。

今回はリーダーシップを理解しているKさんについてお伝えしていきたいと思います。

Kさんは実際に私が出会った経営者です。

以前から「経営者」のもとで働いてみたいと思っていた私は念願がかない「施設の管理者」として勤務しました。

Craft Pottery Porcelain Art Works  - jashmingg / Pixabay
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まずはKさんの紹介。この方かなり特徴?!のある方です。面白い人ですよ~~。

・経営者なのにまったく威厳を出さない。

(偉そうにする感じがなく、ぱっと見気さくな感じ)

・食欲が”無い”(としか思えない) ⇒ 食に執着が無くエネルギー補給のために1日1回くらいしか食事をとらない。その代わり、1日中たばことコーヒーを摂取しています。

・お金に執着が無い ⇒ 自分がお金に執着が無いことを示すために職員の前で1万円札にライターで火をつけて燃やしたこともあります。

・時間感覚が無い ⇒ 飛行機搭乗の50分前にまだ出発せずに職員にげきを飛ばしていたこともあります(空港までは30分くらい)。また、スタッフの拘束時間は異常に長いです。朝9:00から最長で翌朝までミーティングをしていたことも……。本人いわく「完全にブラック企業」(自分で言うか普通)。

・いつもわくわくしている ⇒ どんどん新しい事業展開を思いつくので職員は付いていくのに必死です…。楽しむ力がすごい!

他にもいろいろありますが、大きく言うとこんな感じではないでしょうか。

●リーダーの責任の渡し方

いろいろ印象的な采配がありましたが、1番は入社3か月で「施設長」に任命したことです。全く予期していなかったことで、初めて聞いた時は椅子から転げ落ちそうになりました。

「この業界のこと何も知らないのに…。」

不安と期待が入り混じっていた私。

そしてKさんは私に「施設の”全て”の責任をとってね。」と言いほぼ全権を任せました。

全権と言っても想像しずらい方もいるかもしれませんので幾つか挙げてみます。

・会社用のクレジットカードを持たされた ⇒ 自分の決済でお金を使える!

・スタッフのシフトを自分で作成する ⇒ 施設内の人事権は持った状態!

・自分の出退勤はフリー ⇒ 責任を果たせば何時に来て、何時に帰ってもいいよ!

・事業計画書を書かせる ⇒ 会社全体の方針を理解しつつ事業の方向性を自分で決める!

・売上げ目標の管理 ⇒ 広告宣伝の戦略策定なども自分で考える!

事業規模は年間4000万円程度の小さな事業体でしたが、大きな責任を負っていたことと権利を持っていたことは上記から何となく感じてもらえたのではと思います。

私はもともと「自分の思った通り仕事を進めたい」と考える性質だったこともあり、この状況は願ったり叶ったりでした。就任当初は事業所の業績も上がり順調にスタートを切ったのではないかと我ながら思いました。

ですが、早い段階で行き詰ることになりました。

業績がアップする中で私は「自分の力で業績を上げた!」と勘違いし、少々天狗になり始めていました…。(ホントにありがちですよね。恥ずかしい…。)

次第にスタッフとの関係がぎくしゃくしだしました。スタッフ間の人間関係の悪化も納めることができず業績も下降してきたのです。

それでもKさんはすぐに私に助け船を出しませんでした。いろいろと私に試行錯誤させ「失敗」を積み重ねさせたのです。本当に粘り強く私を見守ってくれていたと今は思っています。Kさんはよく言っていました。「上司はどれだけ部下に失敗させられるかが勝負」と。

この言葉は私の中に今でも残っています。部下に失敗をさせられるということは、自分がカバーできるということに他なりません。もう少し突っ込んで言うと「自分に稼ぐ力(お金を持ってくることができる力)がある」ということです。

これは、分かっていただける方には分かっていただけると思います。むしろ「基本だよね。」と言った感じではないでしょうか。

Kさんが介入して来たのは業績が下降してから半年も経った後のことでした。そこまで私がマイナスを作ったのは数百万単位です。Kさんはお金の面から全体像を把握して「私の成長」のためにぎりぎりまで待ったのです。

人の成長がどれだけ大切かを知っていたから、お金と天秤にかけてぎりぎりまで待てたのです。リーダーとしては最高のジャッジだったと感じました。

(人間的にいろいろ癖がある人でしたので、好きか嫌いかは別の話。笑。でも人の成長に投資をするという理念に嘘が無いことをKさんは証明してみせました。)

Hand  Fifty Money Euro Eur  - jc_cards / Pixabay
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●まとめ

リーダーシップに必要なものとは?

1、リーダーシップとは「資質」ではなく「仕事」。

⇒Kさんは普段の人間性は〇〇〇な人ですが、示すべきところを理解しています。

2、リーダーシップとは「責任」である。

⇒責任の渡し方を考える(どこまでの責任を渡すと何ができるかを知る)。また、「責任」はつまるところ「お金」である。スタッフに時間の猶予を与えられるのも「お金」。全体像の把握も大事!!

3、リーダーシップとは「信頼である」。

手柄を「自分のもの」にしたいリーダーは信頼されない!(私でした…笑)

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マネジメントとは?その②

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●リーダーシップについて

(理解していない人編)

さて、今回もマネジメントの前提となるものについて書いてみたいと思います。お題は「リーダーシップ」です。

リーダーシップと一言でいいますが、みなさんは何を思い浮かべますか?

「カリスマ性?」「周りを勇気づける力?」「社交的な人?」「声が大きい?!」などなど。様々な要素がでてくることと思います。

経営学者として有名なドラッカーは「仕事・責任・信頼」という言葉を使って以下のように定義づけています。

1、リーダーシップは生まれ持った資質ではなく「仕事」である

→目標・基準・優先順位を定め行動する。

2、リーダーシップは地位や特権ではなく「責任」である

→スタッフの行動を支援しながら責任を持つ。

3、リーダーシップは「信頼」である

→メンバーに対する責任を持つことで、最終的に信頼を勝ち取る。

まあ、一言でいうとビジョンを明確にして目的達成へ導く力ですね。ビジョンと結果に着目し、目標達成に向けて時には新しいことに挑戦し創造することで、チーム全体を導いていくことが重要ということです!

私が初めて「上司」になった(”主任”と呼ばれていました)ころは、完全に”地位”や”特権”だと勘違いしていましたね 笑。その頃のスタッフのみなさま本当にごめんなさい m(_ _)m

Compass Orientation Map Address  - MarandaP / Pixabay
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●リーダーシップを理解していない人

私が今までに見聞きした中で、素晴らしいリーダーシップを発揮している人もいれば、リーダーシップをはき違えたダメダメリーダーもいました。

ある人から聞いたリーダー初心者「Aさん」の話です。

3人からスタートした新しい組織の話。

Aさんは2人のメンバーを勧誘し、新しい組織を立ち上げることになりました。念願の自前の法人を立ち上げ理想を実現できると心を躍らせていました。順風満帆なはずだったのですが…

「あれっ?何だか思ってたのと違う…。」

Aさんが勧誘した2人のメンバー(スタッフ)が積極的にどんどん仕事をすすめていくではありませんか。もちろん立ち上げたAさんにある程度の相談はありました。が、ペースが速すぎてAさんにはついていけません。

「この組織を作ったのは誰だ?」Aさんは、ないがしろにされた気分になり面白くありません。「リーダーは自分だ。」

勧誘した2人のスタッフのうち一人を「管理者」に据え事業はスタートしました。Aさんは相変わらずスタッフたちのペースについていけない中、把握できないものがどんどん出来上がっていきます。

「予備駐車場の候補案」「ゴミ処理業者の手配」「お客からとる細かい代金」「行政に提出する書類」……。懸案事項がどんどん溜まっていく毎日。

どれ一つまともに判断できず、スタッフたちの思うままに進んでいく。

これまでのAさんの仕事人生で「責任をもって決断」する場面はほぼ皆無でした。そしてスタッフたちはどんどん自分の意見を言ってきます

(創業メンバーはそういう人が多い。だって安定している大きな組織ではなくゼロからスタートさせるリスクをしょっても「やりがい」を優先させる人たちですから。)

「まずい。なんとかリーダーとして何か示さなくては…。」

そこでAさんが提案したのはスタッフに業務日報を書かせ、提出すること。これまでのAさんの仕事で書いてきたようです。”管理”職のイメージだったんでしょうね。

スタッフは「効率が悪い!」と猛反発。「ただでさえ少ない人数でたくさんのことをやっているのに、時間の無駄!」

(こんな感じだったようです。でも、もう少し優しい言い方をしてもいいですね。熱すぎです。笑)

結局、Aさんはいろいろあった結果2人の創業メンバーをコントロールできず「解雇」してしまったとのこと…。創業期以降に入ってきたパートさんたちも唖然・・・。

その後、事業は大混乱していくことになります……。

Baby Girl Kid Children Girl Child  - mirkosajkov / Pixabay
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●何がいけなかったのか…

Aさんは積極的なスタッフに埋もれて、組織における自分の存在意義がないと感じていたことでしょう。ばりばり仕事を進める2人をみて羨み、嫉妬もしたのだと思います。

Aさんがリーダーの役割を理解していたら2人を解雇なんてしなくても良かったのに。

<ポイント>

1、リーダー = ボスざる と勘違いした 

2、組織の基準を示せなかった

3、スタッフの信頼を軽んじていた

4、「責任」を意識していなかった

◎1・3について

仕事はそのひとの人生観が現れます。承認欲求が強すぎる人は「損得感情」が強く、自己肯定感が著しく低いです

(私もその傾向が強いのでよくわかります)。人よりも優れていないと誰からも愛されない(認められない)と思い込んでいます。

この場合は「できないことはできない。2人とも頼んだね。」とできない自分を認めるだけで全てがうまくいったはずです。この簡単な一言で2人の信頼は勝ち取れたのに……。

リーダーだからといって必ずしも他者より「強い(できる)」必要はないのです。

リーダーシップはあくまで、仕事上のもので人間の資質ではありません。むしろ、必要とあらば「馬鹿になれる」人の方が適していると私は思いますよ。

◎2について

基準を示せないのは”理念”が無いからです。

また、基準を簡単に変えてしまうのは自分に自信がないからです。

組織とは人の集まりです。全く基準が同じメンバーなどいるはずがありません。その中で”理念”のもとに人が集い”思い”を共有していくのです。

「人に嫌われたくない」という気持ちが強すぎる人は「批判される」ことを極度に恐れるため、「自分の意見」を思い切って表現できません。

Aさんは「批判されること」は自分を否定していると受け止めるので、いつまでたっても基準を示すことはできません。

◎4について

Aさんがリーダーシップをとれなかった最大の原因は「責任」を考えていないことです。

先の見通し(優先順位)をつけることなく創業メンバーを解雇してしまえば、周囲からの信頼を損なうとともに残ったスタッフからの信頼も一気に失います。

・スタッフへの責任

・顧客への責任

・事業体への責任

最後の事業体への責任は特に大切です。事業とは本来社会に対してどのように貢献していくかが大切ですから、事業の存続に責任をとれないのであればリーダーシップをとれていないことになるのです。

Prague Street Old Blank City  - ivabalk / Pixabay
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●まとめ

1、リーダーシップは資質ではない。状況に合わせて何にでもなれることが大切。

2、基準を示すには「人から嫌われたくない」を脱しなくてはならない。

3、リーダーシップとは詰まるところ「責任」をとることである。

 →これができればリーダーの仕事はほぼ完了!

マネジメントとは?その①

Cat Work Technology Pet Cute Pc  - makieni777 / Pixabay

★いいチームを作ろう!

●はじめに

社会人になって3~4年すると会社でも後輩ができます。

このブログを読んでくれている人の中には「お前もそろそろマネジメントスキルを身につけないとな」なんて上司から言われている人もいるのではないでしょうか?

私はこれまでの人生の中で数回、転職をしています。そして、幸運なことに「マネジメントをする」立場になったこともあれば、不幸にも!?「最悪のマネジメント」をされる立場も経験することができました(笑)。

その経験を振り返るとマネジメントはそれをする人間の生き方、「人生観」が色濃くでてくることに気づかされるのです。まさに「仕事=人生」ですね。

ここではマネジメントの一般論を私自身の恥ずかしい体験?!や見聞きした様々な組織を例に挙げながら楽しくお伝えしていきたいと思います。人を動かす立場に立ち悩んでいる管理職のみなさんも、動かされる立場に立っている従業員のみなさんに少しでも有益なものになればと思います。

Brainstorming Team Idea  - geralt / Pixabay
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●そもそもマネジメントとは?

ドラッカーはマネジメントの目的を以下のように述べています。

1、組織が果たすべきミッションを達成する

2、組織で働く人を活かす

3、社会に貢献する

この3つがマネジメントの役割といわれています。管理職の心得として多くの人はどこかで聞いたことのあるような内容なのではないでしょうか。

今回は組織づくりのスタートのである「創業期」のとある事業所を例に挙げ、マネジメントの前提となる「理念の大切さ」についてお話したいと思います。

●組織を束ねる”理念”

ここでお伝えするのは創業期のある事業所で実際にあったこと。「1からモノをつくれる!」と好奇心旺盛なスタッフが集まり、たくさんのわくわくが始まるはず…。

そして、いよいよ開所。メンバーは日々の業務を精力的に進めていたのでした。

そんなある日。

とあるミーティングで法人の名称の由来にもなった理念についての話になりました。そして創業者から耳を疑うような言葉が出てきたのです。

創業者「そんな事言いました?」

実はスタッフの1人は、その法人名の由来を聞いてとても共感し転職を決意してました。(自分の考えととても近いもので心がウキウキしたらしいんですよ。)衝撃が大きすぎてしばらく言葉を失っていたとか…。

(その事業所の管理を任されていたそのスタッフが方角を見失ったことは、個人ではなく組織全体にとってとても大きいことでした。)

スタッフ「いや、だって以前にこうおっしゃっていたじゃないですか…。」

全く悪びれない様子で楽しそうに会話を続ける創業者。今思えば、この方も初めての組織づくりで手探りの状態だったのでしょう。

ただ不器用でも自分の創業への思いを誠実に語ってくれれば人はついて来ます。そこが感じられないと人が離れていきます。これってもうマネジメントではなく「生き方」の問題ですよね。

組織づくりを「家を建てる」ことに例えるとすると、理念は基礎の部分。土台です。この創業者はスタート早々にできかけていた基礎を自らパワーショベルで破壊してしまった?!事に気づいていませんでした。

他のスタッフは違和感を感じている者もいれば、全く感じていない者もいて反応はさまざまでした。ですが、これが事業を混乱させるきっかけとなりました。

Western Southwest Utah Sego  - mdherren / Pixabay
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●”理念”崩壊が招くこと

”理念”というと「ああ、会社の朝礼でいつも唱和させられるアレね」など、あまり重要なものだと認識していない人もいると思います(従業員の方は面倒くさがっちゃダメですよ!笑)。

でも実はアレ、とっても重要なんですよ。

創業者によって「”理念”がちゃぶ台返しにあった」あの事業所では具体的に以下の点に大きな影響がでました。

①サービス(商品)の中身

②広告物

③日々の事務仕事

まずは①から。ある社内ミーティングの場での創業者の発言。

「今は売上が大事。だから、お客様のニーズに合わせてこちらが柔軟に対応していきましょう!(これはもちろん一理あります。)」

スタッフ「スタートが肝心です!ニーズへ応えることも大切ですが、理念を頭に置いて何を提供する事業なのかをしっかり固めることが必要だと思います。まずはしっかり売り物を決めましょう!」

結局スタッフの意見は聞き入れられず…。

例えていうなら「ウチはラーメン屋だけど寿司もだそう。」というくらい統一感が出ない商品構成になってしまいました 涙。

当初想定していたサービスとは異なるものが突然生まれ(時間帯・サービス内容が不明確)問い合わせの電話対応でスタッフがしどろもどろに…

スタッフも困惑しながら日々自信無さそうに業務にあたっていたとか。

これは、決していい状態とは言えませんよね。

マネジメントの基本である「組織で働く人を活かす」の逆を行ってしまいました。

S%C%BCtterlin Old German Scripture Write  - Carola68 / Pixabay
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そして②

新規事業所のパンフレット内容企画ミーティングを開いた日のことです。

パンフレット中の「代表からのメッセージ」の部分に議論が及んだ際にこんなことが起こりました。

スタッフ①「創業者からのメッセージのページは理念と通じる所だから、変更はかけずにそのまま行くべきです。」

そのスタッフは”理念”を大切にしていたんですね。

スタッフ②「ここの文言はこう変えたほうがいい。一般的にここは~~」こんな感じの発言。

(自分の「持論」を展開。理念は年頭に無いようでした)

創業者はスタッフ②の意見をそのまま受け入れ「それでいいです」とさらり。自分のメッセージをスタッフ②のコメントに差し替えてしまいました

”理念”(思い)を大切にするスタッフ数名が必死に抵抗したのですが力及ばず。合意形成できぬままパンフレットは印刷されてしまったということです。

結果、パンフレットは統一感のない粗悪品が完成…。(信じられないかもしれませんが時間帯すら意味不明の状態だったらしいです)

現在、職員もお客さまもパンフレットの存在をほとんど認知していません。

「あったけ、そんなの…。」

マネジメントの「社会に貢献する」ためという目的は崩れ、事業内容を知っていただく広告物が全く意味をなさないものになってしまいました

明らかに”理念”が壊れていることが原因です。

Gears Symbols Icon Gear  - geralt / Pixabay
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最後に③

この事業所では月ごとにサービス予定を組んでカレンダーにしてお客さまにお渡しすることをしていました。

単純な業務に見えますが、実はこれも”理念”に通じています。「お客さんが活き活き楽しめる内容にしよう」とスタッフが作りこんでいたカレンダーでした。

とある日。

創業者「事業所の外にはしばらく出ないようにしましょう。」

「えー!安全第一はわかりますけど、これでは何を提供するサービスかわかりません。しかもカレンダーはどうするんですか?」と必死の訴え。

結局、サービスカレンダーを作る業務はなくなってしまいました…。

これまでの仕事っていったい…。

理念が無い ⇒ サービスが頻繁に変わる ⇒ ルーチンワークが変わる  

負のサイクルが回り始める。

Friendship Hand Hondenpoot Together  - Sonja-Kalee / Pixabay
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●まとめ

1、商品は”理念”から生まれる!(理念が変わるとサービスが変わる)

2、理念は事務作業にも大きな影響を及ぼす!

(やらなくてもいい仕事を生み出すこともある)

3、人を束ねる理念。前提となるのは「誠実であること」

追伸

最近、オンラインで学習指導をしたりブログを書いているとWi-Fiが重くなってきた…

ちょっとWi-Fi強化&見直しをしようと思っている人にお勧め!

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