マネジメントとは?その③

●リーダーシップについて

(理解している人編)

まずは前回触れたドラッカーの「リーダーシップ」の定義についておさらいです。

1、リーダーシップは生まれ持った資質ではなく「仕事」である。

2、リーダーシップは地位や特権ではなく「責任」である。

3、リーダーシップは「信頼」である。

ここを頭に置いて読み進めていただければと思います。

今回はリーダーシップを理解しているKさんについてお伝えしていきたいと思います。

Kさんは実際に私が出会った経営者です。

以前から「経営者」のもとで働いてみたいと思っていた私は念願がかない「施設の管理者」として勤務しました。

Craft Pottery Porcelain Art Works  - jashmingg / Pixabay
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まずはKさんの紹介。この方かなり特徴?!のある方です。面白い人ですよ~~。

・経営者なのにまったく威厳を出さない。

(偉そうにする感じがなく、ぱっと見気さくな感じ)

・食欲が”無い”(としか思えない) ⇒ 食に執着が無くエネルギー補給のために1日1回くらいしか食事をとらない。その代わり、1日中たばことコーヒーを摂取しています。

・お金に執着が無い ⇒ 自分がお金に執着が無いことを示すために職員の前で1万円札にライターで火をつけて燃やしたこともあります。

・時間感覚が無い ⇒ 飛行機搭乗の50分前にまだ出発せずに職員にげきを飛ばしていたこともあります(空港までは30分くらい)。また、スタッフの拘束時間は異常に長いです。朝9:00から最長で翌朝までミーティングをしていたことも……。本人いわく「完全にブラック企業」(自分で言うか普通)。

・いつもわくわくしている ⇒ どんどん新しい事業展開を思いつくので職員は付いていくのに必死です…。楽しむ力がすごい!

他にもいろいろありますが、大きく言うとこんな感じではないでしょうか。

●リーダーの責任の渡し方

いろいろ印象的な采配がありましたが、1番は入社3か月で「施設長」に任命したことです。全く予期していなかったことで、初めて聞いた時は椅子から転げ落ちそうになりました。

「この業界のこと何も知らないのに…。」

不安と期待が入り混じっていた私。

そしてKさんは私に「施設の”全て”の責任をとってね。」と言いほぼ全権を任せました。

全権と言っても想像しずらい方もいるかもしれませんので幾つか挙げてみます。

・会社用のクレジットカードを持たされた ⇒ 自分の決済でお金を使える!

・スタッフのシフトを自分で作成する ⇒ 施設内の人事権は持った状態!

・自分の出退勤はフリー ⇒ 責任を果たせば何時に来て、何時に帰ってもいいよ!

・事業計画書を書かせる ⇒ 会社全体の方針を理解しつつ事業の方向性を自分で決める!

・売上げ目標の管理 ⇒ 広告宣伝の戦略策定なども自分で考える!

事業規模は年間4000万円程度の小さな事業体でしたが、大きな責任を負っていたことと権利を持っていたことは上記から何となく感じてもらえたのではと思います。

私はもともと「自分の思った通り仕事を進めたい」と考える性質だったこともあり、この状況は願ったり叶ったりでした。就任当初は事業所の業績も上がり順調にスタートを切ったのではないかと我ながら思いました。

ですが、早い段階で行き詰ることになりました。

業績がアップする中で私は「自分の力で業績を上げた!」と勘違いし、少々天狗になり始めていました…。(ホントにありがちですよね。恥ずかしい…。)

次第にスタッフとの関係がぎくしゃくしだしました。スタッフ間の人間関係の悪化も納めることができず業績も下降してきたのです。

それでもKさんはすぐに私に助け船を出しませんでした。いろいろと私に試行錯誤させ「失敗」を積み重ねさせたのです。本当に粘り強く私を見守ってくれていたと今は思っています。Kさんはよく言っていました。「上司はどれだけ部下に失敗させられるかが勝負」と。

この言葉は私の中に今でも残っています。部下に失敗をさせられるということは、自分がカバーできるということに他なりません。もう少し突っ込んで言うと「自分に稼ぐ力(お金を持ってくることができる力)がある」ということです。

これは、分かっていただける方には分かっていただけると思います。むしろ「基本だよね。」と言った感じではないでしょうか。

Kさんが介入して来たのは業績が下降してから半年も経った後のことでした。そこまで私がマイナスを作ったのは数百万単位です。Kさんはお金の面から全体像を把握して「私の成長」のためにぎりぎりまで待ったのです。

人の成長がどれだけ大切かを知っていたから、お金と天秤にかけてぎりぎりまで待てたのです。リーダーとしては最高のジャッジだったと感じました。

(人間的にいろいろ癖がある人でしたので、好きか嫌いかは別の話。笑。でも人の成長に投資をするという理念に嘘が無いことをKさんは証明してみせました。)

Hand  Fifty Money Euro Eur  - jc_cards / Pixabay
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●まとめ

リーダーシップに必要なものとは?

1、リーダーシップとは「資質」ではなく「仕事」。

⇒Kさんは普段の人間性は〇〇〇な人ですが、示すべきところを理解しています。

2、リーダーシップとは「責任」である。

⇒責任の渡し方を考える(どこまでの責任を渡すと何ができるかを知る)。また、「責任」はつまるところ「お金」である。スタッフに時間の猶予を与えられるのも「お金」。全体像の把握も大事!!

3、リーダーシップとは「信頼である」。

手柄を「自分のもの」にしたいリーダーは信頼されない!(私でした…笑)

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