子育てについて①

~安心感の中で子どもを育てるには~

今回は子育てについて書いてみようと思います。

私自信は娘が2人おりいずれも成人し社会へと巣立って行きました。親としては嬉しい気持ちと寂しい気持ちが半々……いや3:7くらいで寂しいです 笑

さて、私は児童デイサービスに勤務していたことがあります。児童デイサービスとは発達障害と言われる(個人的には発達障害の定義に疑問を持っています)子どもたちが通う「療育施設」と呼ばれるところです。

そこに通う子達は様々な「個性」を持っています。お母さんたちは自由な子ども達の行動に困り「社会にもう少し上手く馴染んで欲しい(全員ではありませんが)」と願って来所してきます。

子どもの状況は色々で、

1、幼稚園で友達をたたいてしまう

2、興味・関心が偏っている

3、言葉が遅い

4、指示が通らない

5、運動が苦手

(バランス感覚が極端にない)

6、特定の感覚が過敏すぎる  など

他にも挙げればきりがありません。   

お母さんたちは基本的に我が子への深い愛情を持っています。初めて相談に来たお母さまと話す際に「お母さん、今まで本当に頑張ったね」と何気ない言葉をかけただけで泣いてしまう方もいます。「我が子を愛している気持ち」と「素直に子どもに向き合えない気持ち」が心の中でぐちゃぐちゃになって涙が止まらなくなるんだそうです。

ここでは施設での経験や学びを通じて分かったことなどをまとめてみたいと思います。

Skills Competence Knowledge Success  - PCB-Tech / Pixabay
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●エリクソンの発達段階

保育士さんは学生時代に必ず勉強するエリクソンの発達段階。

エリクソンが提唱した発達段階は「心理社会的発達理論」と呼ばれており人間の一生を8つの段階にわけ、その段階ごとに心理的課題と危機、課題達成により獲得する要素などを分類したものです。(文献によっては多少単語の違いもあります。)

人間は、生涯どの時期においても発達し、どの段階においてもクリアすべき課題とクリアするための障害となるものが存在し、障害を乗り越えた時に得られるものも定義されています。また、発達段階で関わる人物や具体的に何を通して課題をクリアしていくのかということもまとめられています。

人間も動物なので固体差があります。エリクソンが区切った年齢で全て分類できるわけではありませんが、その子の状況を理解するのに手助けになると私は思っています。


●0歳~2歳(乳児期):基本的信頼感 vs 不信感

乳児期には、母親と過ごす日々の中で様々な感情を持ちます。

例えば、不快、不安、恐怖などの感情です。その中で、母親がしっかりと不快や不安のような負の感情を取り除くことより、母親に対する基本的信頼感を得ることができます。

これは基本的信頼が10で不信感が0であればOKという訳ではありません。不信感0の人間ってまずいですよね。知らないおじさんを信じてほいほい付いて行ってしまいます。これは危険です。

私の経験上、発達障害と言われる子は「不信感」に偏っているいるケースが非常に多いです。

「〇〇くん、今日もお友達ともめたらしいよ」「お母さん、今日〇〇ちゃんお絵かきの時に自分の画用紙をびりびりに破いてしまったんです…。」「みんなでお出かけの時にどうしても帽子を被ってくれなくて…。」

こんな事ばかり周りから言われているお母さんは我が子を信じる気持ちが揺らいで行くのです。子どもにとっては絶対的信頼を置いているお母さんが揺らぐとどうしても「不信感」の割合が高まってしまう事も多くなってしまいます。

だからこそお母さんの余裕ができる環境を作ることは大切です。「子どもをただただ抱きしめてあげる」とtwitterで書いている方がいらっしゃいましたが、とてもしっくり来ます。ただただ抱きしめてあげる環境を整えるだけで子どもの発達は180°変わります。.

基本的信頼感を獲得することができた子どもは、希望を持ち、今後出会う様々なものを「信じる」ことが可能になります。それに対し、基本的信頼感を得られなかった場合、負の感情は消えず、基本的不信感を持ち続けることになります。

実はこれ、何も発達障害と言われる子にだけ起きる事ではありません。

Depression Tension Woman Loss  - hassanaasi / Pixabay
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●基本的不信感の状態になっている子が多い!?

発達障害の子に起きやすい「基本的不信感」を強く持った状態ですが、実はどの子どもにも起き得ることです。

現代の日本社会は過度なストレスにさらされています。「他人に迷惑をかけてはいけない。」が形を変えて「他人と同じことができる」事がとても価値の高いことの様に錯覚させる教育になっている様に思います。

そして人と違うことを言ったり、やったりした瞬間に周囲から一斉に責められる。ネットでの誹謗中傷も昨今問題になっていることは象徴的なできごとではないでしょうか。

そんな社会の中で子育てしていると、どうしても子どもを信じる気持ちが弱くなってしまいがちです。

これはお母さん達の育て方の問題ではなく社会全体の問題ではないでしょうか。

<基本的不信感が高い人の特徴>

1、自己肯定感が低い

2、人とのコミュニケーションへの抵抗感が強い

3、勝ち負けで判断する

4、人を信用しない

5、間違いを認められない  など

●他人に迷惑をかけてもいい

私はあえてこれを1つの価値観として拡めたいと思います。

人間は一人では生きられません。欠点が無い人間は一人もいません。自分の「できないこと」が人の頑張りや優しさを引き出すことがあります。

以前TVのドキュメントで見たある夫婦のお話です。

旦那様はとてもおっとりした方、奥様はとてもちゃきちゃきした方で、のんびりした旦那様に対していつもこう思っていたそうです。

「私がいないとこの人は何もできない。私がこの人を生かしてあげてるのよ。」と。

元気な奥様でしたが、ある時ガンである事が発覚しました。

病院のでつらい抗がん剤治療を受け、ベッドに横たわるだけの日々。そんなつらい日々の中で奥様はあることに気が付きました。

「私があの人を生かしてあげているの。」なんて思っていたけれど大間違いだった。私が毎日頑張れたのはあの人が「できない」から。「生かされているのは私の方だった…」

奥様は心からの感謝を旦那さまに伝え息を引き取ったそうです。

迷惑を考えない人になれというのではありません。

その人が迷惑かも?と思っていても実は相手を活かしていることだってたくさんあるのです。それを感じられるから、今度は自分が誰かに貢献したいと思えるのではないでしょうか。

迷惑かけたっていいじゃないですか。

Family Happy Baby Mother Father  - Radoan_tanvir / Pixabay
Radoan_tanvir / Pixabay

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