子育てについて③

~いい親でなければ!という幻想~

唐突ですが「世のお母さん達は本当にエライ!」と思います(もちろんお父さんも💦)。子どもを育てるって本当に尊いですし、難しいものです。

「愛情をこめて抱きしめると、優しい子どもになる」「寝る前に本を読み聞かせると、子どもは勉強好きになる」「添加物の入った食品を与えないようにする」などなど社会に出回っている「いい子育て論」。

一方でそれは、「親の育て方が子どもの人生を決める」というものすごく巨大なプレッシャーと表裏になっていると感じます。

「私は子どもに何もしてあげられていない……。」とか

「私がこんなだからこの子はこんな風になってしまった……。」

「いいお母さんになれていない……」などと自分を責めているお母さんのお話をたくさん聞いたことがあります。

1つここで問いかけてみたい事があります。

「いいお母さん」って何ですか?

子どもに文化や知識を伝えるのも、社会で一人前の大人として認められるよう準備を整えさせるのも、本当にすべて親の役目なのでしょうか?

Man Hands Silhouette People Hand  - AlemCoksa / Pixabay
AlemCoksa / Pixabay

●親は神様じゃない

江戸時代末期の日本の識字率は50%を超えていたとも言われています。これは何を意味しているのでしょうか?

武家だけではなく一般の民衆も入れてこの数字です。それは教育というものを非常に重要視してきた表れであり、当時日本全国に1500以上あったといわれる「私塾」や15000を超えていたとされる「寺子屋」の存在が民衆の教育を「支えて」いたのです。

教育と一言にいってもいろいろあります。「家庭教育」「学校教育」「社会教育」のように家庭や学校、地域がそれぞれ果たす役割があります。

こう言われてしまうと『「家庭教育」の部分はしっかり役割を果たさなきゃ』とまた肩に力が入ってしまいそうですが、そんなことはありません。

「読書好きな子」に育って欲しいなら、周りに「読書好きな大人」がいなくてはなりません(これは私の持論。自分は好きでもないのに「~すべき」と言っても子どもには伝わりません)。

「うちの子本読まなくて困ってるんです。」と言っている親御さんが読書をしないことも多々あります。💦(そんな時は読書好きの他者に任せたらいいんです。)

「添加物の入っていない食品」を全て避けることはできますか?コンビニ弁当を買ってきて子どもに食べさせている時の意味不明な罪悪感……。😢

「愛情をこめて抱きしめると、優しい子どもになる」のは確かです。でも毎日子どもを抱きしめられる精神状態ですか?親だって人間です。難しい日だってそりゃありますよ。

私の経験談をここで一つお伝えしたいと思います。

あるご家庭のお話。

お母さんと6歳の息子の2人暮らしでした。

お母さんは家計のために夜のお仕事をされている方でした。息子さんは児童デイに通っており、私はよくそのお宅に送迎で通っていました。

お昼過ぎにお迎えに行くとお母さんはいつも寝ていました。無理もありません。だって朝方3:00くらいまで勤務して自宅に戻るのは5:00くらい。起きて子どもを送り出せというのも酷な話です。

その6歳の息子はいつも寝ている母親に向けて「行ってきます。」と声を掛けますが返事はありません……。そんな毎日でした。

ある日、当時勤めていた施設に児童相談所から電話が来ました。「そちらに通っている〇〇くんですが、こちらで保護していますのでしばらくそちらに通えません。」

お母さんが子どもに手を挙げてしまったらしくDV案件として処理されてしまったのです。

「あの子は今いったいどんな気持ちで児童相談所に保護されているのだろう・・・。」

ショックでした。胸がつぶれそうでした。

数か月後、その子は親と離れて「事情があって親と離れて暮らしている子」が暮らす施設に入りました。そして、児童デイの通所も再開できることになりました。

久しぶりにその子に会える日。どんな表情をしているかとても気になりました。親と離れてくらして「捨てられた」と自暴自棄になっているのではないか。ふさぎ込んでいるのではないか。

ですが予想に反して実際に会ったその子は明るく、いい表情をしていました。

「先生、久しぶり!」

私は声がでませんでした。

暮らしている施設のスタッフさんが愛情をたくさん注いでくださったのだと思います。その子の施設での様子をお聞きするまでもなく、表情が全てを物語っていました。

もちろん、親でなくては注げない愛情もあるのだと思います。孤独な時もたくさんあるのだと思います。でも、他人だからこそ注げる愛情もあります。他人だからこそ言ってあげられることもたくさんあるのです。

子どもの教育は親が抱え込んでやるものではないと思います。

Hands Received On Light Heart  - geralt / Pixabay
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●自分も地域教育の担い手になるという意識

文部科学省でも地域教育や学校教育との連携について方向性を明確に打ち出しています。子どもを育てる環境は「みんなで作る」ものなのです。

現代の日本社会は核家族化が進み「わが子」以外の教育には関心を持ちにくい状況です。「ひと昔前は近所の頑固おやじによく怒られたんだよ。」なんて話を聞くこともありますが、私自身も記憶にほぼ残っていません。

みなさんは知らない子がゴミを捨てているのを見て注意できますか?

結構ハードル高いですよね。

自分はそんな偉そうなこと言えるような社会規範を身に着けている人間ではない。と自分自身の問題に入り込んで言うのをやめてしまいます。

地域教育を考えていく時に「わが子」以外に関心がない状態では何も前に進みません。こう考えるとても難しい事になってしまいますが、大きなことは出来なくても良いと思います。

すれ違った近所の子に笑顔で「あいさつ」をする。くらいの小さな所から始めていくのがいいでしょう。

自分の子育てを他の人と共有するためには、自分も地域の子どもを育てる感覚をもてると良いと思います(いろいろシェアする時代ですから 笑)。

また、私自身も今後も地域教育についていろいろと勉強していきたいと思います。

文部科学省へのリンクはこちら

↓  ↓  ↓

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1364831.htmhttps://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1364831.htm

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